合格者と不合格者の違い②
合格者と不合格者の間にあるもの。
それは「具体性」と「論理性」であると前回書きました。
今回はそのうちの「論理性」について考察してみますね!
「論理性」とは
一次選考には「応募用紙」と「職種別試験問題」があり、
小論文形式で答えていきます。
もう一度、それぞれの試験問題を見てみます。
応募用紙より
- ボランティア活動に参加する動機、抱負について記述してください。(5行)
- ご自身が考えるボランティア活動の意義、目的を記述してください。(5行)
- この職種を選択した理由(5行)
- この職種に対するご自身の経験(実務等)、技術適合性(セールスポイント)を具体的に上げ記述してくださいその際、ご自身の選んだ要請内容に対しての技術適合性についても触れてください。(17行)
- この職種に携わる際に想定されるご自身の弱点を記述してください。(4行)
- 自己PR(希望した職種に関係する経験以外で特筆すべき経験を記述してください)(5行)
- 帰国ボランティアの体験談や報告書等で心に残るエピソードや、ご自身が実際に活動に取り入れたいと思うアイデアなどを記述してください。(4行)
- 実際に派遣された場合、どのようなボランティア活動を行うのか、活動内容、日常生活を含めて具体的に記述してください。(5行)
- 帰国後、参加経験をどのように生かしたいか記述してください。(5行)
職種別試験問題より
- 派遣国の社会的文化的な特色(概観)(400字以内)
- 住民との話し合いの結果、合意した活動(仮定)のテーマ(50字以内)
- 活動の目的(200字以内)
- 活動の内容(特色やねらいを含む)(800字以内)
- 具体的な取り組み(400字以内)
- 活動を支えるあなたの知識や経験(200字以内)
- コミュニティ活動を一言(30字以内)で述べること
「論理性」が問われるのは以下の2点です。
- 内容の重複した質問に対しての対応
- 過去・現在・未来の3点が経験的にきちんとつなげること
内容の重複した質問についての対応
例えば、応募用紙の問8と職種別試験問題の問4は質問の文章こそ違いますが内容が同じです。応募用紙の問4と職種別試験問題の問6も同じ。さらにはこれらの問に向き合っているうちに、職種別試験問題の問3・4・5も根本的に答える内容は同じなのではないかと感じてきます。
これらについてバラバラに答えると「論理性」がなくなります。
問の内容が同じなのであれば文字数の多いほうに合わせて濃い内容を用意し、短いほうはそれの要約で済ませる。そして使うキーワードを同じにする。
などの工夫が必要です。
過去・現在・未来の3点が経験的にきちんとつなげること
これは極論ですが、例えば、「今までは生命保険のリーテイル営業でした。途上国ではPCを教えたい。帰国後は保健衛生に関わるNGOで働きたい」というように書けば、誰が見てもめちゃくちゃだと分かります。過去の経験のどの部分を、志望した要請でどのように生かすのか。帰国後には何がしたくて、そのためにどんな経験が得たくて途上国での2年間を過ごすのか。この過去・現在・未来を経験的に繋げて書くこと。これがもう一つの「論理性」です。並びに未来に対しての目的意識を用意しておくことが大切になってきます。
まとめ
「論理性」について2つの視点で見てきましたが、考えてみれば当然のことかもしれません。「論理性」の中身は一言で言い換えれば「わかりやすさ・読みやすさ」だと思います。試験官は何百通もの書類を読むのですから、「読みやすい」に越したことはありません。言葉の通じない異国で自分や日本の事、これから活動しようとしている仕事の内容や意義について、現地の人に「わかりやすく」伝えられる素地があるかどうかも大切な判断基準なのだと思います。
帰国後の進路についても、税金を使って青年を派遣する以上、帰国後に長期間理由もなく無職でいられてはJICAとしては困るのだと思います。日本社会にどれだけ還元してくれるのか期待感が垣間見られる受験者が合格するのでしょう。
以上、受験仲間との会話で得た、受験に際しての注意点でした。
参考になれば幸いです(^^♪