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青年海外協力隊2017年度2次隊でエチオピアに行ってきます!!

応募書類の書き方~コミュニティ開発編~

これまで一次選考合格に必要と思われる要素をまとめてみました。では、それをもとに私がどのように私の経験をまとめたのか、原文を載せておきます。一応、一次選考合格した応募用紙ですので、これから受験される方の参考になれば幸いです。

文章力や経歴に関しては特段レベルの高いものではありません。見てほしいのは、「具体性」「論理性」。私が30年の人生で経験したほんの一部だけを取り出して、具体的にその経験を途上国でどう使うのか?それをわかりやすく論理的に言葉に起こしたつもりです。途上国で実際に行いたい活動に「農業」を挙げていますが、私は農業経験はありませんし、要請内容にも書かれていません。要請内容に書かれた情報量が少ないのに、「どのような活動を行うのか?」と聞かれて困った末に、JICA市ヶ谷で報告書を読み漁りました。その結果コミュニティ開発職員が農業に携わっているケースが多いと知り、テーマに挙げただけです。実際に現地で農業に本当に関わるつもりがあるかどうかは書いている段階ではわかりませんでした。

文章力や盛り込む情報量は「この程度で良いのだな」と感覚的にわかってもらえればそれでOKだと思います。(※各質問文の横の行数は、実際の応募用紙に用意された行数です。)

私は、コミュニティ開発という職種でマラウイという国の要請を第一希望にして選考に臨みました。要請内容は、ここを参照ください。皆さんだったらどう書きますか?

http://www.jocv-info.jica.go.jp/jv/index.php?m=Info&yID=JL52416B02

 

1.以下について、ご自身の考えを記述してください

(1)ボランティア活動に参加する動機、抱負について記述してください。(5行)

語学研修で訪れたフィリピンのセブ島で、初めてスラム街とストリートチルドレンを見た。世界的に有名なリゾート地で経済成長中の国においても5分も歩けばスラム街に入る。日本と違い、富裕層と貧困層の差があまりにも大きいことに驚いた。人生の一部を労働に使うのならば、今後はこの差を埋めていくための仕事に就きたいと感じた。彼らが将来の選択肢を広げるためには現金収入の向上が必要。本ボランティアには生計向上活動の支援が含まれている。本気で取り組み、途上国での働き方を習得したい。

(2)ご自身が考えるボランティア活動の意義、目的を記述してください。(5行)

『つながり』の醸成だと考える。途上国におけるボランティア活動は現地の生活レベル改善だけが目的ではない。途上国が自立すれば、ボランティアのニーズは消失するかもしれない。しかしボランティアが現地で作った『つながり』は残る。人と人、組織と組織が出会うことで『つながり』が生まれ、将来的に新しい価値が生み出される。それは人口減少により世界での経済的ポジションが落ちる見込みの日本にとっては『新たな得意先づくり』とも言える。

2.選択した職種に関して、次の(1)~(4)の項目について具体的に記述してく
ださい。

(1)この職種を選択した理由(5行) 

要請にある地域能力開発・生計向上活動をサポートしたい。プロジェクトの質は普及員の活動量及び試行錯誤が伴って向上する。普及員と一緒に住民への効果的な伝え方や結果の検証方法を模索したい。結果が伴わない場合、取組姿勢が問題の事も多い。普及員側への支援だけでなく、住民とも一緒に働き実質的な行動を促したい。結果や好事例の収集や共有は住民の活動意欲の向上にも繋がる。前職では生命保険会社の営業所長を務め、外交員の採用、使命感・意欲の醸成、営業課題解決の補助に当たった。組織マネジメントの経験はこの職種で活かせると考える。

(2)この職種に対するご自身の経験(実務等)、技術適合性(セールスポイント)を具体的に上げ記述してくださいその際、ご自身の選んだ要請内容に対しての技術適合性についても触れてください。(17行) 

組織マネジメントの経験で、要請にある地域能力開発・生計向上活動の質の向上に貢献したい。これまで生命保険会社で6年間営業として勤務。営業所長を務め、30名の外交員を束ねた経験がある。中間管理職は人事権がない。怠惰な職員を解雇することもできなければ、勤勉な職員を昇給させることもできない。つまり中間管理職の指示命令など聞かなくとも部下に不利益は生じない。それでも組織としての目標を遂行するには、作るべき人間関係の形と声のかけ方がある。

◆上司・部下の関係ではなく仲間として接する。◆指示・命令よりも『依頼・提案』の形をとる。◆報告を待つのではなく自ら仕事の進捗を気に掛ける。◆結果を即時適切に褒め、努力に対して礼を言う◆部下全員とわけ隔てなく時間を共有する。

配属先の普及員は中間管理職に近いと思う。住民は支援内容を実行に移さなくとも罰則はない。しかし住民の行動や結果や感謝が伴わなければ普及員の意欲は削がれてしまう。私は普及員と住民とのパイプ役となり、普及員と住民双方の活動意欲の向上を目指したい。

私は、結果は作るものだと考えている。結果を出すために普及員と共有したいのは、

◆求める結果と期日を明確にすること。◆踏むべきプロセスをすべて明らかにすること。◆進捗状況を全員で確認できる体制をつくること。◆苦労している住民とは一緒に課題解決の糸口を相談すること。

支援を受けた住民からは好事例を収集し、敬意と感謝をもってワークショップなどで共有。他の住民に「私もやりたい!私もやらなきゃ!私でもやれそう!」と思ってもらうことが重要だと考える。住民の意欲が普及員の支援への意欲にもつながると考える。

(3)この職種に携わる際に想定されるご自身の弱点を記述してください。(4行)

宗教的な分野を考察したことがない点である。どの宗教がどの様な考え方に根付き何を不愉快とするのか、実際のところは分かっていない。語学面の不安もある。コミュニケーション能力というのはマイナスの場面で発揮されるものである。不都合が生じたときに互いの利害や精神的な不快をゼロに戻す、もしくは新たな発想でプラスに導く力である。現在TOEICを中心に語学の勉強と宗教に関しての勉強をしている。

(4)自己PR(希望した職種に関係する経験以外で特筆すべき経験を記述してください)(5行) 

中学時代に剣道部、高校時代に陸上部に所属。個人競技により、一対一での競り合いに強くなった。また大学2年まで16年間エレクトーンを習っていた。物事を長く続けることの大切さも学んだ。スクーバダイビングのライセンスを持っている。任国が海に面していれば、現地の人との関係構築に役立つであろう。また登山も趣味にしている。前職では地方への転勤も多かったため、アウトドアを楽しめるようになった。オーストラリアへの1年間のワーキングホリデーも経験し、外国での一人暮らしの訓練もできた。

3.帰国ボランティアの体験談や報告書等で心に残るエピソードや、ご自身が実際に活動に取り入れたいと思うアイデアなどを記述してください。(4行)

2013年に感染症対策でニジェールに赴任された薬剤師の町井恵理さん。直接お話を伺った。地元の人に「子供が高熱を出して死にそう!病院に行くのに200円ちょうだい!日本人はお金持ちなんでしょ?」と言われた。目の前の危機を救うか、援助慣れを防ぐために厳しい態度をとるか。自分の行動次第では活動上の今後の住民との関係も危惧される。結局、彼女は金銭を与えなかったという。大変考えさせられた。

4.実際に派遣された場合、どのようなボランティア活動を行うのか、活動内容、日常生活を含めて具体的に記述してください。(5行)

マラウイの要請を志望している。現地では主食であるシマの原料となるトウモロコシの収量アップを図る。その為に堆肥を作り酸性土壌の改良を試みる。トウモロコシを使った他のレシピにも挑戦し、食生活の向上及び一村一品活動に繋げたい。帳簿を用いた収益管理まで言及し、収支の変化をきちんと調査したい。私の提案に興味を持ってもらえるかどうかは、私への興味と私自身の意欲に比例すると思う。カウンターパートだけでなく住民とも食事の時間を共にするなどし、広く深く人間関係の構築をしたい。

5.帰国後、参加経験をどのように生かしたいか記述してください。(5行)

開発コンサルタントまたは途上国支援をしている企業へ就職したい。任国で得られるのは現地民と一緒に仕事をする経験。現場経験が直接生かせる仕事を選びたい。また日本においてもグローバル化が急務。しかし人口に対して外国人の数が少ない日本では子供たちが異文化に興味を持つ機会が少ない。そのため語学についても勉強する理由が受験科目だからという域を出ない。青年海外協力隊参加による経験、そして帰国後の自分の業務から得た経験をしっかり世の中に周知し、子供たちのグローバル化にも尽力したい。