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青年海外協力隊2017年度2次隊でエチオピアに行ってきます!!

応募書類の書き方~コミュニティ開発編~

これまで一次選考合格に必要と思われる要素をまとめてみました。では、それをもとに私がどのように私の経験をまとめたのか、原文を載せておきます。一応、一次選考合格した応募用紙ですので、これから受験される方の参考になれば幸いです。

文章力や経歴に関しては特段レベルの高いものではありません。見てほしいのは、「具体性」「論理性」。私が30年の人生で経験したほんの一部だけを取り出して、具体的にその経験を途上国でどう使うのか?それをわかりやすく論理的に言葉に起こしたつもりです。途上国で実際に行いたい活動に「農業」を挙げていますが、私は農業経験はありませんし、要請内容にも書かれていません。要請内容に書かれた情報量が少ないのに、「どのような活動を行うのか?」と聞かれて困った末に、JICA市ヶ谷で報告書を読み漁りました。その結果コミュニティ開発職員が農業に携わっているケースが多いと知り、テーマに挙げただけです。実際に現地で農業に本当に関わるつもりがあるかどうかは書いている段階ではわかりませんでした。

文章力や盛り込む情報量は「この程度で良いのだな」と感覚的にわかってもらえればそれでOKだと思います。(※各質問文の横の行数は、実際の応募用紙に用意された行数です。)

私は、コミュニティ開発という職種でマラウイという国の要請を第一希望にして選考に臨みました。要請内容は、ここを参照ください。皆さんだったらどう書きますか?

http://www.jocv-info.jica.go.jp/jv/index.php?m=Info&yID=JL52416B02

 

1.以下について、ご自身の考えを記述してください

(1)ボランティア活動に参加する動機、抱負について記述してください。(5行)

語学研修で訪れたフィリピンのセブ島で、初めてスラム街とストリートチルドレンを見た。世界的に有名なリゾート地で経済成長中の国においても5分も歩けばスラム街に入る。日本と違い、富裕層と貧困層の差があまりにも大きいことに驚いた。人生の一部を労働に使うのならば、今後はこの差を埋めていくための仕事に就きたいと感じた。彼らが将来の選択肢を広げるためには現金収入の向上が必要。本ボランティアには生計向上活動の支援が含まれている。本気で取り組み、途上国での働き方を習得したい。

(2)ご自身が考えるボランティア活動の意義、目的を記述してください。(5行)

『つながり』の醸成だと考える。途上国におけるボランティア活動は現地の生活レベル改善だけが目的ではない。途上国が自立すれば、ボランティアのニーズは消失するかもしれない。しかしボランティアが現地で作った『つながり』は残る。人と人、組織と組織が出会うことで『つながり』が生まれ、将来的に新しい価値が生み出される。それは人口減少により世界での経済的ポジションが落ちる見込みの日本にとっては『新たな得意先づくり』とも言える。

2.選択した職種に関して、次の(1)~(4)の項目について具体的に記述してく
ださい。

(1)この職種を選択した理由(5行) 

要請にある地域能力開発・生計向上活動をサポートしたい。プロジェクトの質は普及員の活動量及び試行錯誤が伴って向上する。普及員と一緒に住民への効果的な伝え方や結果の検証方法を模索したい。結果が伴わない場合、取組姿勢が問題の事も多い。普及員側への支援だけでなく、住民とも一緒に働き実質的な行動を促したい。結果や好事例の収集や共有は住民の活動意欲の向上にも繋がる。前職では生命保険会社の営業所長を務め、外交員の採用、使命感・意欲の醸成、営業課題解決の補助に当たった。組織マネジメントの経験はこの職種で活かせると考える。

(2)この職種に対するご自身の経験(実務等)、技術適合性(セールスポイント)を具体的に上げ記述してくださいその際、ご自身の選んだ要請内容に対しての技術適合性についても触れてください。(17行) 

組織マネジメントの経験で、要請にある地域能力開発・生計向上活動の質の向上に貢献したい。これまで生命保険会社で6年間営業として勤務。営業所長を務め、30名の外交員を束ねた経験がある。中間管理職は人事権がない。怠惰な職員を解雇することもできなければ、勤勉な職員を昇給させることもできない。つまり中間管理職の指示命令など聞かなくとも部下に不利益は生じない。それでも組織としての目標を遂行するには、作るべき人間関係の形と声のかけ方がある。

◆上司・部下の関係ではなく仲間として接する。◆指示・命令よりも『依頼・提案』の形をとる。◆報告を待つのではなく自ら仕事の進捗を気に掛ける。◆結果を即時適切に褒め、努力に対して礼を言う◆部下全員とわけ隔てなく時間を共有する。

配属先の普及員は中間管理職に近いと思う。住民は支援内容を実行に移さなくとも罰則はない。しかし住民の行動や結果や感謝が伴わなければ普及員の意欲は削がれてしまう。私は普及員と住民とのパイプ役となり、普及員と住民双方の活動意欲の向上を目指したい。

私は、結果は作るものだと考えている。結果を出すために普及員と共有したいのは、

◆求める結果と期日を明確にすること。◆踏むべきプロセスをすべて明らかにすること。◆進捗状況を全員で確認できる体制をつくること。◆苦労している住民とは一緒に課題解決の糸口を相談すること。

支援を受けた住民からは好事例を収集し、敬意と感謝をもってワークショップなどで共有。他の住民に「私もやりたい!私もやらなきゃ!私でもやれそう!」と思ってもらうことが重要だと考える。住民の意欲が普及員の支援への意欲にもつながると考える。

(3)この職種に携わる際に想定されるご自身の弱点を記述してください。(4行)

宗教的な分野を考察したことがない点である。どの宗教がどの様な考え方に根付き何を不愉快とするのか、実際のところは分かっていない。語学面の不安もある。コミュニケーション能力というのはマイナスの場面で発揮されるものである。不都合が生じたときに互いの利害や精神的な不快をゼロに戻す、もしくは新たな発想でプラスに導く力である。現在TOEICを中心に語学の勉強と宗教に関しての勉強をしている。

(4)自己PR(希望した職種に関係する経験以外で特筆すべき経験を記述してください)(5行) 

中学時代に剣道部、高校時代に陸上部に所属。個人競技により、一対一での競り合いに強くなった。また大学2年まで16年間エレクトーンを習っていた。物事を長く続けることの大切さも学んだ。スクーバダイビングのライセンスを持っている。任国が海に面していれば、現地の人との関係構築に役立つであろう。また登山も趣味にしている。前職では地方への転勤も多かったため、アウトドアを楽しめるようになった。オーストラリアへの1年間のワーキングホリデーも経験し、外国での一人暮らしの訓練もできた。

3.帰国ボランティアの体験談や報告書等で心に残るエピソードや、ご自身が実際に活動に取り入れたいと思うアイデアなどを記述してください。(4行)

2013年に感染症対策でニジェールに赴任された薬剤師の町井恵理さん。直接お話を伺った。地元の人に「子供が高熱を出して死にそう!病院に行くのに200円ちょうだい!日本人はお金持ちなんでしょ?」と言われた。目の前の危機を救うか、援助慣れを防ぐために厳しい態度をとるか。自分の行動次第では活動上の今後の住民との関係も危惧される。結局、彼女は金銭を与えなかったという。大変考えさせられた。

4.実際に派遣された場合、どのようなボランティア活動を行うのか、活動内容、日常生活を含めて具体的に記述してください。(5行)

マラウイの要請を志望している。現地では主食であるシマの原料となるトウモロコシの収量アップを図る。その為に堆肥を作り酸性土壌の改良を試みる。トウモロコシを使った他のレシピにも挑戦し、食生活の向上及び一村一品活動に繋げたい。帳簿を用いた収益管理まで言及し、収支の変化をきちんと調査したい。私の提案に興味を持ってもらえるかどうかは、私への興味と私自身の意欲に比例すると思う。カウンターパートだけでなく住民とも食事の時間を共にするなどし、広く深く人間関係の構築をしたい。

5.帰国後、参加経験をどのように生かしたいか記述してください。(5行)

開発コンサルタントまたは途上国支援をしている企業へ就職したい。任国で得られるのは現地民と一緒に仕事をする経験。現場経験が直接生かせる仕事を選びたい。また日本においてもグローバル化が急務。しかし人口に対して外国人の数が少ない日本では子供たちが異文化に興味を持つ機会が少ない。そのため語学についても勉強する理由が受験科目だからという域を出ない。青年海外協力隊参加による経験、そして帰国後の自分の業務から得た経験をしっかり世の中に周知し、子供たちのグローバル化にも尽力したい。

JICAの試験官が見ているのはココだ!

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以下の話は、2016年10月25日に池袋サンシャインで行われたJICAボランティアの説明会での企画の一つで、実際にコミュニティ開発の面接官でいらっしゃる方が、「こういう視点で選考します」と実際におっしゃっていたものです。その時のノートを転記してみます。 

2016年10月25日のJICAボランティア説明会@池袋より

「コミュニティ開発」という職種の捉え方について

 

 「コミュニティ開発」は専門性を持たなくとも応募が可能な職種の一つです。かといって、自分には専門技術がないから仕方なくコミュニティ開発を選ぶというものではない。そもそも現在の日本にコミュニティ開発という職業がないのだから。

では実際にコミュニティ開発が現場で行うことは何か?

順を追って説明すると、

現状調査(フィールドワーク)⇒住民ニーズの理解⇒住民とともに活動の在り方を話し合う(ワークショップ)⇒活動の立案・企画⇒活動開始

つまり、メインの活動に至るまでの道のりは険しく時間がかかる。しかも住民との相互の話し合いによって活動を作り上げていくので成果も多様に生まれ、中には予期しないものもある。よって、協力隊には明確な成果目標というものを課していない。 

「コミュニティ開発」という職種を言い換えると… 

  • 「住みよい暮らしをつくる」こと
  • 「指導」するのではなく(生活スタイルが違うので難しい)、一緒に学んでいく姿勢をもつこと(民衆思考・草の根思考)
  • 具体的に実現可能な活動・解決策を作り上げること
  • 特定の分野や技術に限定せず多様な取り組みをすること
  • 総合的な視点・公益視点・長期的な展望をもって取り組むこと(人づくり・社会づくりに携わること) 

では上記のような活動を行うのに必要な素養は何か? 

  • 人々の生活を改善しようという情熱
  • 社交性(誰とでも話せる)
  • 社会性(人間関係を把握できる力)
  • 創造性(新しいアイデア
  • コーディネーション力(取りまとめる力)
  • 説得力(エピソードをもって話ができるか?)
  • 異文化理解力
  • なんでも食べる、どこでも生活できる適応力
  • 健康な体と体力

 必要な経験は何か? 

  • 営業・企画・街づくり・ボランティア
  • 国際交流・開発学・農学・留学・海外での就労
  • 保健衛生・農林水産・コンピュータ・物づくり・手芸・食品加工

ではどういう人を採用するのか? 

相手に届くように「私を分かって!」と伝えられる人=やさしい表現で自分を表現できる人=論理的に表現できる人

 なぜなら。

「コミュニティ開発では活動を一時的なものではなく、社会的に根付かせることを目標としているため」

つまり

「植林や稲作のスキルそのものよりも、そのメリットをきちんと説明できることが大切」である。

その他、一次選考受験に際しての注意点 

  1. 職種別試験問題には字数制限がありますが、実際には多少少なくても多くても、合否には関係ないそうです。字数制限をしないと限られた紙面に米粒のような字で書く受験者がいて、読むのが大変だから制限しているに過ぎないとのこと。
  2. 質問に対しての拡大解釈もOKだそう。きちんとつじつまの合う文章であることが大事だとの事です。
  3. 職種別試験問題 問7の「コミュニティ開発を一言(30字)で述べること」はキャッチコピー的なものを考えれば良いのだそうです。どんな内容を書いても選考には影響しないそうです。要するに考え方を知ることで、グルーピングに使うそうです。似た者同士で集めたり、違う者同士で集めたり。
  4. 限られた紙面に字数制限たっぷり、しかも見やすく書きたい!パソコンのワードで記入しプリントアウトしたものを添付して提出してもOK!手書きよりも断然きれいに、多くの文字数を含むことができます。 
  5. 応募用紙と職種別試験問題。読んでいる人は同じ。つまりそれぞれで質問内容が重複しているが内容や論理は一致させておいたほうがいい。 
  6. ちなみに、1次選考過程においては、顔写真や住所などは一切を見ることなく、純粋に受験者が書いた内容のみで審査を行っているとのこと。だからコネは一切利きませんとのことでした。
  7. 解答用紙にイラストを載せてくる受験者がいる。完全にNGとは言わないが、イラストの内容が伝わらない可能性を十分に理解しておくこと。との忠告もありました。

 私がこのお話を聞いたとき、とにかく「論理的」な人が採用されるのだなー、という印象でした。

以上、遠方にお住まいの方や、時間のない方は参考にしてみてください。

合格者と不合格者の違い②

合格者と不合格者の間にあるもの。
それは「具体性」「論理性」あると前回書きました。
今回はそのうちの「論理性」について考察してみますね!

「論理性」とは

一次選考には「応募用紙」「職種別試験問題」があり、
小論文形式で答えていきます。
もう一度、それぞれの試験問題を見てみます。

応募用紙より

  1. ボランティア活動に参加する動機、抱負について記述してください。(5行)
  2. ご自身が考えるボランティア活動の意義、目的を記述してください。(5行)
  3. この職種を選択した理由(5行)
  4. この職種に対するご自身の経験(実務等)、技術適合性(セールスポイント)を具体的に上げ記述してくださいその際、ご自身の選んだ要請内容に対しての技術適合性についても触れてください。(17行)
  5. この職種に携わる際に想定されるご自身の弱点を記述してください。(4行)
  6. 自己PR(希望した職種に関係する経験以外で特筆すべき経験を記述してください)(5行)
  7. 帰国ボランティアの体験談や報告書等で心に残るエピソードや、ご自身が実際に活動に取り入れたいと思うアイデアなどを記述してください。(4行)
  8. 実際に派遣された場合、どのようなボランティア活動を行うのか、活動内容、日常生活を含めて具体的に記述してください。(5行)
  9. 帰国後、参加経験をどのように生かしたいか記述してください。(5行)

職種別試験問題より

  1.  派遣国の社会的文化的な特色(概観)(400字以内)
  2.  住民との話し合いの結果、合意した活動(仮定)のテーマ(50字以内)
  3.  活動の目的(200字以内)
  4.  活動の内容(特色やねらいを含む)(800字以内)
  5.  具体的な取り組み(400字以内)
  6.  活動を支えるあなたの知識や経験(200字以内)
  7.  コミュニティ活動を一言(30字以内)で述べること

「論理性」が問われるのは以下の2点です。

  • 内容の重複した質問に対しての対応
  • 過去・現在・未来の3点が経験的にきちんとつなげること

内容の重複した質問についての対応

例えば、応募用紙の問8と職種別試験問題の問4は質問の文章こそ違いますが内容が同じです。応募用紙の問4と職種別試験問題の問6も同じ。さらにはこれらの問に向き合っているうちに、職種別試験問題の問3・4・5も根本的に答える内容は同じなのではないかと感じてきます。

これらについてバラバラに答えると「論理性」がなくなります。
問の内容が同じなのであれば文字数の多いほうに合わせて濃い内容を用意し、短いほうはそれの要約で済ませる。そして使うキーワードを同じにする。
などの工夫が必要です。

過去・現在・未来の3点が経験的にきちんとつなげること

これは極論ですが、例えば、「今までは生命保険のリーテイル営業でした。途上国ではPCを教えたい。帰国後は保健衛生に関わるNGOで働きたい」というように書けば、誰が見てもめちゃくちゃだと分かります。過去の経験のどの部分を、志望した要請でどのように生かすのか。帰国後には何がしたくて、そのためにどんな経験が得たくて途上国での2年間を過ごすのか。この過去・現在・未来を経験的に繋げて書くこと。これがもう一つの「論理性」です。並びに未来に対しての目的意識を用意しておくことが大切になってきます。

まとめ

「論理性」について2つの視点で見てきましたが、考えてみれば当然のことかもしれません。「論理性」の中身は一言で言い換えれば「わかりやすさ・読みやすさ」だと思います。試験官は何百通もの書類を読むのですから、「読みやすい」に越したことはありません。言葉の通じない異国で自分や日本の事、これから活動しようとしている仕事の内容や意義について、現地の人に「わかりやすく」伝えられる素地があるかどうかも大切な判断基準なのだと思います。

帰国後の進路についても、税金を使って青年を派遣する以上、帰国後に長期間理由もなく無職でいられてはJICAとしては困るのだと思います。日本社会にどれだけ還元してくれるのか期待感が垣間見られる受験者が合格するのでしょう。

以上、受験仲間との会話で得た、受験に際しての注意点でした。
参考になれば幸いです(^^♪

合格者と不合格者の違い①

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格通知をいただいてから2週間ほど経ちました。
この間に2回ほど、受験仲間と食事しました。
一人はめでたく合格した方と。
もう一人は今回残念ながら不合格だった方と。

今回めでたく合格された方も実は前回受験では不合格。今回はいろいろと作戦を立てて受験したとのこと。二人のお話から、受験する際のちょっとした注意点、なんかが見えたので、後人の為に記しておきます。

前提として、私は「コミュニティ開発」という職種で受験しました。
コミュニティ開発は医者や薬剤師や教師などの専門性を持たなくとも受験できる職種の一つです。現地では農作業や保健衛生や女性コミュニティの活性化などに当たります。

合否の間にあるもの

一言で言うと、それは「具体性」「論理性」です。

「具体性」について

協力隊の選考は2次選考まであります。
1次選考は書類審査(応募用紙と職種別試験問題の2つ)。
2次選考は面接。
2次の面接は、1次で提出した書類が質問のベースになっていました。
つまり、ここに何を書くかで、2次の合否が決まると思ったほうが良さそうです。
仮に1次選考を通過したとしても、2次選考で答えにくいような話題を書いてしまっている場合には不利になるという事です

では、なぜ、具体性をもって書けないのか…?

理由は2つ。

  1. 要請一覧に載っている仕事内容についての説明文が非常に短く具体的な仕事のイメージがつかみにくいから。もともと専門性の低いコミュニティ開発という職種の特性上、仕方がないのかもしれません。
  2. それでいて1次選考の質問文は自身の行いたい活動内容についてかなり具体的に問われるから。

つまり、情報不足の中で質問に答えようとすると、想像力を働かせることになってしまい、想像で書いた内容は具体性に欠く結果になります。

例えば、今回私が第一希望とした、マラウイにおけるコミュニティ開発の要請についての説明は以下の通り。(青年海外協力隊2016年度秋募集要請一覧 P15より原文まま)

管轄地域の村落部を巡回し、配属先が実施しているプログラム(小規模ビジネス支援、能力開発、生活改善等)の実施、サポート及び質の向上へのアドバイスをします。

それに対して、1次選考の質問文は以下の通り。

応募用紙より

https://www.jica.go.jp/volunteer/application/seinen/apply/pdf/ouboyoushi.pdf

  1. ボランティア活動に参加する動機、抱負について記述してください。(5行)
  2. ご自身が考えるボランティア活動の意義、目的を記述してください。(5行)
  3. この職種を選択した理由(5行)
  4. この職種に対するご自身の経験(実務等)、技術適合性(セールスポイント)を具体的に上げ記述してくださいその際、ご自身の選んだ要請内容に対しての技術適合性についても触れてください。(17行)
  5. この職種に携わる際に想定されるご自身の弱点を記述してください。(4行)
  6. 自己PR(希望した職種に関係する経験以外で特筆すべき経験を記述してください)(5行)
  7. 帰国ボランティアの体験談や報告書等で心に残るエピソードや、ご自身が実際に活動に取り入れたいと思うアイデアなどを記述してください。(4行)
  8. 実際に派遣された場合、どのようなボランティア活動を行うのか、活動内容、日常生活を含めて具体的に記述してください。(5行)
  9. 帰国後、参加経験をどのように生かしたいか記述してください。(5行)

 職種別試験問題より

https://www.jica.go.jp/volunteer/application/seinen/apply/exams/index.html

あなたは、第一希望の案件に合格して派遣されることになりました。あなたの活動は、すでに地域の基本的な調査、住民のニーズの聞き取り、住民との話し合い、意見形成が済んだ段階です。以下の項目について、指定字数以内で述べなさい。

  1.  派遣国の社会的文化的な特色(概観)(400字以内)
  2.  住民との話し合いの結果、合意した活動(仮定)のテーマ(50字以内)
  3.  活動の目的(200字以内)
  4.  活動の内容(特色やねらいを含む)(800字以内)
  5.  具体的な取り組み(400字以内)
  6.  活動を支えるあなたの知識や経験(200字以内)
  7.  コミュニティ活動を一言(30字以内)で述べること

いかがでしょうか。難しいと思いませんか?私は受験を諦めようか迷うほど難しいと思いました(><)もちろん、要請内容については、JICAホームページ上でもう少し詳しいものを見ることができます。しかし、質問に対しての答えやすさが格段に上がるわけではありません。

今回不合格だった受験仲間は、1次選考(書類審査)では合格しており、2次選考の面接で不合格となっています。彼が書いた活動内容は「平和構築」。彼自身の反省によると、任期2年の協力隊で掲げるテーマとしては大きすぎたかもしれないとのことでした。もともと国連などで、大学院で博士号を取った専門家が取り組む内容のもの。志が高くとも、夢物語と捉えられれば、合格にはなりません。

同じように、私が個人的に避けたのは、帰国後の将来についての内容。現地でどんな経験ができるかわかりませんので、帰国後の事を細かく決めているわけではありませんが、いくつか選択肢を用意しています。そのうちの一つに「起業」があります。でも私はそれを書きませんでした。ビジネスモデルが確立してないため突っ込まれれば崩れるまだ夢の段階だからです。無難に「転職する」と答えました。

具体的に書くためにはどうするか…?

とにかく、情報を集めることです。
実際に募集が始まってから、1次選考の書類提出締切までは1か月半くらいの時間があります。この間には全国各地で先輩体験談等を聞ける無料セミナーをJICAが開いてくれます。まずは、これに参加することです。東京近郊にお住まいならば毎週のようにどこかで開催されていますので、かなり多くの先輩の話を聞くことができます。

さらに、可能であれば、市ヶ谷のJICAに行って、自分の志望要請と関係のありそうな先輩隊員の書いた報告書を数人分は印刷して持ち帰り、熟読。先輩たちがどんな活動をし、何に行き詰まり、どう解決したのか。もしくは何を解決できずに諦めたのか。そもそも2年でどの程度の事ができるのか。報告書から読み取れることはかなりたくさんあります。

それから、先輩隊員のブログ。ここにも、リアルな内容が書かれておりますので、想像で書く前にチェックしておきたいところです。

つづく

青年海外協力隊になります!

よっしゃ受かった!! 

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去る2017年2月10日(金)、無事に青年海外協力隊格通をいただきました!同じく合格された方、本当におめでとうございます!訓練所でお目にかかれるのが、本当に楽しみです!

思い返せば、昨年11月1日に1次試験の応募書類をポストに入れてから、約3か月。いやいや…、実に長かった…(笑) 

青年海外協力隊の試験は2次試験まであります。1次試験が書類審査。2次試験が面接。

今回私が受験した2016年度秋募集のスケジュールは、

  • 2016年11月4日:1次試験の書類提出締め切り
  • 2016年12月6日:1次試験 結果発表
  • 2017年1月5日~12日:2次試験
  • 2017年2月10日:2次試験 結果発表

それぞれの試験と結果発表そして次の試験までの間に1か月ずつ時間が空きます。この待ち時間が、なんとも辛いのです。

私の場合は訳あって、すでに以前勤めていた会社を退職しており、無職のまま約2年が経とうとしています。背水の陣で臨んだ今回の試験。落ちたら洒落になりませんでした(笑)。もちろん2年間いろいろやっていたわけですが、今回不合格で仕方なく転職活動を始めれば、この2年はただのブランクになってしまう…(><) 

転職活動と違い、少なくとも現在無職であってもブランクがあっても、協力隊には合格できる!ってことが今回証明されました。人生を心機一転やり直したい!って方、ぜひ、応募してみて下さい!

で、配属先は…?

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格通知によると、私の派遣予定国はエチオピア。派遣隊次は2次隊とあります。もともと第一希望の要請はマラウイというアフリカにある縦長の小さな国。今回のエチオピアの要請は第二希望でした。やっぱ第一希望にはならないってウワサは本当のようです…(笑)エチオピアについてと、要請内容については後日紹介しますね!(^^)

 

ブログ、本格的にスタートします。 

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まぁ、何はともあれ、覚悟が伝わったのかめでたく合格することができました!(^^)

これによって、このブログも本格的に始動しようと思います。このブログでは、主に青年海外協力隊について記していきます。なぜ私が応募することになったのか。選考の過程やこれから受ける訓練の様子。現地の生活や仕事風景。現地での葛藤や心境の変化、降りかかってくる困難なども、できるだけ記していきます。

これから、協力隊を目指す後人のために、なるべくリアルタイムでお届けしていきます。参考になれば幸いです。

2016年秋募集2次選考の様子

一次選考の対策について私がしてきたことを、ここまで記してきました。そして、今年の1月9日に私は2次選考の面接を受けました。以前にも、2次選考対策のために、先輩隊員のブログを読み漁り、共通して聞かれていた質問をリストアップした記事を載せてありますが、以下は実際に私が面接で聞かれたことを記しておきます。

2次選考では1次選考の書類に書いた内容がすべての質問のベースとなるので、今後の受験者には関係のない話題も含まれるかもしれませんが、あー、こんな風に聞かれるのか。くらいの印象を持ってもらえればと思います。

面接会場の様子 

面接会場は都内のホテル。受付けは8:30am~。集まっていた受験者は北海道から沖縄までの全職種、男女比も半々、年齢もバラバラでした。年齢別や職種別に面接日を設定しているわけではないようです。

ホテルの地下にある大広間が受験者全員の控室であり、150人ほど集まっていました。自分の面接の順序が回ってくると、受験番号で呼び出され、ホテル内の指定の部屋を案内されます。実際の面接会場はホテルの一室でした。

9:00~9:45まで一般的な説明が行われ、10:00から面接スタートです。説明の中で印象に残った内容は2つ。「本日は、皆さんを落とすための試験ではありません。要請とのマッチングをするための面接です」「本日は年齢も職歴も応募職種もさまざまな人が集まっています。うるさくされては困りますが、合格すれば同じ釜の飯を食うことになりますので、ぜひネットワークを広げてください」とおっしゃっていました。少しホッとしました。

実際に会場では、隣同士で話はじめ、同じ列で話はじめ、一日経った後には同じテーブルの人全員とLINEを交換するまでになりました。面接時間もバラバラでしたので、何を聞かれたのかの情報共有もすることができて、とても有意義でした。暇つぶしに本を持って行ったのですが、ほとんど読まなかったですね…(笑)

当日は8:30受付、18:00解散の予定。提出書類があるのでJICAの人達もその書類の不備点検をしており、それらが全部終わるまで自分の面接が終わっても帰ることはできません。それでも16:00ごろ解散となりました。

面接で聞かれたこと

一番気になるのは、ここですよね!(笑)面接は『技術面接』『人物面接』と2回行われます。私の応募職種は「コミュニティ開発」。特定の技術を必要とする職種ではありませんので、技術面接も人物面接もその中身に大差はありませんでした。

技術面接 

男性2名が面接官。右に若い男性、左に年輩の男性。主に若い男性は書記的な役割かつ簡単な質問、年配の男性が主に突っ込んだ質問をしてきました。

入室するとまずは、若い男性からのYes/Noで答えられる質問でした。

  • 退職して参加という事でよろしいですか?
  • どの対次からも参加可能ですか?
  • マラウイ(私の希望任国)以外でもアジアや南アメリカでも参加しますか?

その後、年配の男性にバトンタッチされ質問されました。

  • なぜ、コミュニティ開発を希望しているのですか?
  • オーストラリアでのワーキングホリデーではファーム(農業)は経験されたのですか?
  • お仕事が保険営業ということ、当然お客さんとってこなくちゃいけないんでしょ?
  • じゃぁ、コミュニケーションを中心とする要請になってもいいわけですね。
  • 帰国後はどうするのですか?

最後に若い男性に戻り、

年輩の面接官は、池袋での説明会でコミュニティ開発についての講師を務めていらっしゃった方でした。私はその日、先頭に座り質問をしたので覚えていてくださるといいのですが…。全体の印象としては、本当に15分もかかったかな…?ってほど、あっさりしていました。きちんと自分の口でまとまった回答をしたのは、「なぜコミュニティ開発なのですか?」と「帰国後はどうするのですか?」いう質問だけ。それ以外は私の経歴等を見ながら話しかけてくる面接官に対し、相槌を打っているような状態でした…(笑)会話をするように非常に和やかに進行しました。 

人物面接

 人物面接は予定よりも早い時間で私の番が回ってきました。そのせいか、一人15分程度となっている中で、私は23分も所用しました。疲れました…(笑)

面接官は年輩の男女2名。左が女性、右が男性でした。特に表情豊かに相槌を打ってくれるわけでもなく、圧迫面接のように否定的な感想を述べてくるわけでもなく、淡々と進行されました。男女とも交互に質問してきました。

  • お名前を教えてください
  • 青年海外協力隊への参加動機を1~2分程度で述べてください
  • 一次選考で提出いただいた職種別試験問題にかなり具体的に活動内容が練られていますね。土壌改良によるトウモロコシの収量増加と書いてあります。見たところ経歴に農業経験はないように見受けられますが、なぜこのように書いたのですか…?
  • コミュニティ開発はとても人気職種で本日もたくさんの受験者が来ています。その中で、あなたが他の受験者の誰にも負けないと思う強みをお聞かせください。
  • これまでのお仕事の中では苦手とする人もいたかと思いますが、そういった方との付き合い方を教えてください
  • お仕事でマネジメントの経験がおありとのことですが、応募用紙には『感情マネジメント』と書いてあります。この「感情」がついている理由はなぜですか?
  • ストレス対策を教えてください。
  • 弱みもお持ちかと思いますが、一つ教えていただけますか。
  • 帰国後のご予定を教えてください 

技術面接と比べるとヘビーでした。一次選考で提出した応募書類や職種別試験問題を元にかなり突っ込んできますね。なかにはなぜその言葉を選んだのかを問うものもありますので、言葉選びは慎重にしたほうが良さそうです。一問一答の面接ではなく、回答に対してさらに深堀してくる感じの面接でした。

全体の雑感

まだ試験を終えたばかりの身で合格したわけではありませんので何とも言えませんが…。新卒時の就職試験ほどの緊張感はありませんでした。先輩隊員たちのブログには、圧迫面接だったとか精神鑑定人が面接官をしているとか、かなり怖いことも書いてありましたが、私はそのような印象は受けませんでしたね。学生さんや若手の社会人など、まだ社会経験や対人経験が浅い場合には、年輩の方に無表情で質問を投げかけられれば圧迫感があるのかもしれません。私の印象としては、非常に和やかに淡々と進む感じでした。

まとめ

一次選考時に提出した応募用紙や職種別試験問題に自分で書いた内容をきちんと把握し、先輩隊員たちのブログからある程度の質問項目を収集し、それらにすべて答えられる準備をしておけば、特に恐れるものはないと思いました。第二希望・第三希望の要請についても問われることがありますので、どの要請を選び、なぜその順序で希望するのかは答えられるようにしておいたほうが良いでしょう。

健康診断の結果

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さて、先日受けた健康診断の結果が病院から送付されてきました。

医師からのコメント欄には「明らかな異常所見は認めません。就労に支障はありません。」とありました。ひとまず安心…。これで、全力で2次選考に臨むだけです!(^^♪

 

これから2017年度春募集以降に応募を考えていらっしゃる方には、以下の2つのページを参照されると良いかと思います。 

健康診断項目について

http://newsreader.jica.go.jp/news/2016AT_physicalCU.pdf

 

会社や大学で受けた健康診断の結果を持っているようであれば、自分が受けたことがあるかどうか、確認しておくとよいと思います。もしも過去の健診結果に所見が見当たるようであれば、今から対策できますものね。

2015年8月 専門家の健康上の派遣可否判定について 

 http://partner.jica.go.jp/resource/road2k/kobo/pdf/health.pdf

ちなみに、国際協力を生業としようと思う人ならほとんどの人が知っているPARTNERという職業斡旋サイト。ここにJICAの「専門家」と呼ばれる職に対しての健康診断項目と一般的基準が載っています。「青年海外協力隊」のものではありませんが、参考になると思います。ちなみに、資料上には「一般的基準値」と書いてありますが、私が健康診断を受けた病院でいただいた基準値一覧とは若干の差がありました。特に各項目の下限値がいくぶん高めになっている気がします。